タンザニアにおける商標の強制的登録制度について
2025年9月1日、タンザニア公正取引委員会(FCC)は、タンザニア本土に輸入されるすべての商品について商標の強制的登録制度を導入することを発表した。施行予定日は2025年12月1日である。
これにより、タンザニアはケニアに次ぎ、アフリカで2番目に強制的商標登録制度を導入する国となった。本制度は国境管理を強化し、偽造品の流通を水際で阻止することを目的としている。
新制度の下では、FCCに登録されていない商標を付した商品は、真正品か偽物かを問わず国境で差し止めの対象となる。さらに追加の罰金等が科される可能性がある。
また、本制度は工業所有権局(BRELA)の業務とは別に並行して運用されるため、BRELAに未登録の商標については早急に出願手続を進める必要がある。
FCCへの登録は所定の様式(FCC1号書式)を用いて行う必要があり、以下の情報や書類を提出することが求められる。
- 申請者の詳細情報
- 国籍または法人の場合は設立管轄
- 商品の製造場所
- 商標を付した商品の見本または鮮明な写真
- 使用を許諾されたライセンシーや関連会社の情報
- 商標登録証の認証写し
- 手数料の支払証明
今回の義務化は、商標権者にとって大きな制度変更であると同時に、権利行使を強化する好機でもある。
当事務所では、現地代理人を通じてクライアント各位が円滑に対応できるよう支援する体制を整えている。
優先すべき対応は以下の二点である。
- BRELAに未登録の商標については速やかに出願手続を進めること
- 登録済み商標についてはFCCでの登録を確実に行うこと
タンザニアへの輸入を行う企業にとって、本制度は不可避の新ルールである。適切に対応することで、権利保護を強化するとともに、輸入遅延やトラブルを未然に防ぐことが可能である。
商標登録や今回の制度対応に関して疑問があれば、ぜひ当事務所まで相談いただきたい。
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タンザニア公正取引委員会 FCC – fair competition commission
https://www.fcc.go.tz
工業所有権局 Business Registrations and Licensing Agency (BRELA)
https://www.brela.go.tz