事業継続計画(BCP)への取り組み
当事務所は、自然災害や感染症、サイバー攻撃など多様なリスクに備え、IT基盤の構築及び運用そのものを業務の一部として位置づけ、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定・運用しています。BCPは単なるバックアップ対策ではなく、あらゆる状況下でも業務を止めないための仕組みとして設計・実装しています。
1. 重要データの多重保全と法的証拠性の保護
業務上受領する重要データおよび権利化プロセスにおける中間書類等の電子データは、物理的に離隔した複数拠点および、異なる系統のストレージ環境に分散してリアルタイムに保全しています。これは単なるバックアップに留まらず、データの完全性を維持し、将来にわたる法的証拠性を保護するための堅牢なデータ管理体制です。
2. システムの冗長化と独立性の確保
主要な業務システムは冗長構成を採用し、障害発生時には即時に予備系統へ切り替え可能な体制を構築しています。自前のインフラを基盤とした独立性の高い運用を軸とすることで、特定の外部プラットフォーム障害の影響を最小限に抑え、いかなる状況下でも出願期限等の法定期間を遵守できる環境を維持しています。
3. 通信の真正性担保と到達管理(Email Security & Reliability)
対外的な情報伝達の「真正性」と「確実性」を構造的に制御しています。
- ■ 送信ドメインによる真正性の証明
- なりすましや改ざんを防止するため、SPF、DKIM、DMARCを用いた送信ドメイン認証を実装しています。これは発信者の法的アイデンティティを技術的に証明するものであり、通信における信頼性確保を専門家としての義務と位置づけています。
- ■ 配信経路の最適化と自律性の確保
- 自律的なSMTPリレー基盤と、信頼性の高い外部配信基盤を組み合わせた構成を採用しています。特定のサービスプロバイダに依存し切るのではなく、自社ドメインの信用状態(レピュテーション)を自ら統制できる構造とすることで、外部要因による通信途絶リスクを低減しています。
- ■ 双方向の通信安定性と監視体制
- 送信面では監視システムによるリアルタイムなエラー検知を行い、受信面では長年の運用実績に基づき最適化された堅牢なサーバー基盤を維持しています。これら双方向の高度な管理により、メールの不達や遅延を構造的に排除し、確実な情報伝達を目指した実効的な運用を継続しています。
4. 安全なリモートアクセス環境とゼロトラスト運用
緊急時や移動時においても、オフィス内と同等のセキュリティレベルで業務を継続できるよう、暗号化通信と多要素認証を備えたリモート環境を整備しています。境界型防御に頼らない「ゼロトラスト」の概念を基本方針とし、情報漏洩リスクを最小化しながら、場所を選ばない迅速なリーガルサービスの提供を実現しています。
5. 外部環境との柔軟な連携
自前インフラによる秘匿性の確保を基本としつつ、外部データセンターやクラウドサービスを戦略的に活用し、地理的・物理的な障害発生時にも業務中断を最小限に抑える柔軟性を両立しています。
6. 継続的な評価と技術的改善
BCPは運用とともに進化する仕組みであると定義しています。最新の技術動向や法規制、社会情勢に応じて定期的に見直しを行い、実運用のログに基づいた改善を継続しています。従業員教育を通じて、緊急時においても「技術を武器に業務を遂行する」文化を醸成し、常に機能する体制を維持しています。