よくある質問
1、出願要件
残念ながら出願はできません。出願には新規性が必要条件です。既に広く販売している商品や、刊行物やインターネット上に公開した発明等は出願できません。但し、刊行物やインターネット上に公開した発明であれば、「新規性喪失の例外規定」を利用できる場合があります。この規定を利用できるかどうかについては個別にご相談ください。
参考URL:特許庁ウェブサイト 審査基準室
参考URL:特許庁ウェブサイト 審査基準室
商標については、特許、実用新案、意匠とは異なり、未発表でなくても構いません。既に使用している商標でも出願が可能です。
2、商標
いいえ。商標が登録されるにはいくつかの要件が必要です。例えば、靴に対して「シューズ」といったように、その商品を示す外国語や普通名称だけからなる商標をつけようとしても、登録されません。また、商品や役務(サービス)の質や形状を表す語と、普通名称とを結合させただけの言葉(例:帽子に対して「ソフトハット」)も登録要件を備えていません。そして最も重要なのが、同じ商品・役務について他人が所有している登録商標とバッティングしないことです。
使用、登録を希望なさる商標が、同じ商品・役務について他人が所有している登録商標と類似しているかどうかを調べます。類似している場合、その商標を使用なさると、登録商標権利者から「商標権の侵害である」として訴えられるおそれがあります。トラブルを事前に防ぐためにも、商品企画・開発段階での商標調査をお薦めします。パッケージやパンフレットに印刷してからでは遅いとお考え下さい。
3、年金および存続期間
特許・実用新案・意匠は年金を支払うことで権利を維持します。支払額は3年ごとに高くなります。また、特許については特許査定後30日以内に1~3年分の年金を一括で支払わなければなりません(設定納付)。年金は毎年納付するのでも3年ごとに1度(同じ金額の年度分をまとめて4~6年度分、7~9年度分といったように)納付するのでも構いません。外国出願に関しては、それぞれの国によって規定が異なりますので別個にお問い合せください。
年金納付期限から半年以内でしたら、本来の年金額の倍額を納付することで権利を維持することができます。諦めずに早急にご連絡ください。
特許権の存続期間は、出願から20年です。存続期間が満了すると特許権は自動的に消滅し、その技術は誰でも使用することができるようになります。
同じ技術である限り、もういちど出願しても特許権を取得することはできません。特許権は、新しい技術を公開して誰でも使用できるようにした代償として、その存続期間中「だけ」認められる独占権だからです。したがって、存続期間が満了すれば、予定通り、誰でも使用できるようになり、再び同じ技術が誰かに独占されることはありません。
医薬品のように、開発~治験~薬事法上の審査~製造承認(厚生労働省による)等が必要で、商品化されるまでに非常な時間がかかるものについては、5年を限度として存続期間が延長できます。
(特許法第67条2項)
現在、実用新案権の存続期間は、出願から10年です(平成17年4月1日以降に出願したもの)。平成6年1月1日から平成17年3月31日までの間に出願されたものは、出願から6年です。 なお、実用新案権の延長はできません。
4、各種変更
出願中の特許と登録済みの特許の両方をお持ちの場合は特許庁に「特許出願人名義変更届及び移転登録申請書」を提出します。
登録済み特許だけ…「移転登録申請書」
出願中の特許だけ…「特許出願人名義変更届」
登録済み特許だけ…「移転登録申請書」
出願中の特許だけ…「特許出願人名義変更届」
登録済みの案件については特許庁に「移転による登録名義人表示変更登録申請書」を提出します。包括委任状を頂戴していない場合、または包括委任状にこの件に関する記述がない場合は委任状が必要になります。こちらで作成した委任状をお送りしますので社判をおしてご返送ください。
登録証は登録時に一度発行されるだけで、その後の各種変更手続の度ごとに再発行はされません。各種変更は特許庁の「原簿」に記録されますので、現在の権利状態を知りたい場合にはこの原簿を取り寄せて確認します。記録にタイムラグはありますが特許庁のデータベース(J-Platpat)でも権利状態が参照できます。また、特許証/登録証を紛失してしまった場合には、特許庁は有料で再発行に応じています。
原則として、発明者の追加/変更はできないと考え、出願の際にはご注意ください。但し、運用上追加/変更が認められるケースもありますので、「どうしても」という場合には、ご相談ください。
5、外国出願についてのFAQ
日本で既に公開されている特許出願は、それをそのまま外国に出願することはできません。発明の内容が公知になってしまっているからです。既に日本にて同じ発明を特許出願している場合、外国に出願できる期間は、優先権を主張して出願するなら日本出願から12月以内、優先権を主張しないで出願する場合は日本で公開される(出願から18月)前までに出願しないとなりません。当所では、外国出願の要否を伺うおしらせを送付するサービスも致しております。
出願さえすれば実体審査に着手する国もあります(例:米国)。しかし、欧州、カナダ、中国、韓国等は出願審査請求制度があります。国によって出願後の手続は異なるとお考え下さい。詳細はお問い合わせください。
欧州特許出願は、出願日から3年目以降、「maintenance fee」:維持年金というものが発生します。欧州特許庁に本願が係属しているだけで発生するものとお考え下さい。これを納付しないと特許出願は取り下げられたものとみなされますのでご注意下さい。
パテントファミリーとは、ある出願に就いて優先権を主張し複数の国に出願されたグループです。従って、これを、一つのまとまりとして把握することが重要になります。競合他社がどの国にどんな出願をしているのかを把握するためには必要な調査です。